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現代の奇形・異形を求めて…。
【競りにかけられる女性たち】のほうでも書きました通り、私は事故物件に住む副業を終えたあと、ある資産家たちを相手に、【怖い取材】【危ない取材】の記事を書く仕事をしていました。
資産家たちが軍資金を出す。
そのかわりに面白いネタを提供する。
かんたんに言うと、そのようなコミュニティがあるのです。
彼ら、彼女ら、セレブたちは、ちょっとやそっとの【怖い話】では満足しません。
本当の上流階級に生まれている人もなかにはいましたが、成り上がり系が多いので、はっきり言うと、スレています。
だから、命を張った取材、人の不幸に関する取材などを望みます。
スラム街への潜入、臓器売買の現場に踏み込む…。
「実際に自分の臓器を売ってみたら?」
などと言います。
そんな刺激中毒者たちから給料をもらうためにも、私が取材先に選んだのは、【奇形志願者】【精神的露出狂】たちでした。
破壊願望、破滅願望のある人間たちの取材なら、罪悪感も少なくて済むかなと思ったからです。
ですが、罪悪感とは自分の影のようなものですね。
逃れることはできないようです。
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