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令和のドクターキリコなのか。
「くれぐれも、私が特定できる記事は書かないでくださいね」
女性医師はそうくぎをさしてから、話を始めました。
医師が提示した条件は以下の通りでした。
・容姿の描写をしない。
・年齢、特徴、医院にしている場所について少しも触れない。
・取材のギャラは10万円。時間は10分。
・取材以後、医師につきまとわない。どこかで会っても話しかけたりしない。
・この先、医師の手術と思われる事案に出会っても、知らないふりをする。
などでした。
そして、
・これらを破った場合、モニターになる。
というものがありました。
「習得したい技術があるんだけども、練習台が圧倒的に足りないのよ。だから、あなたを練習台にさせてもらうからね」
女性医師はそう言いました。
「どんな手術なんでしょうか?」
私は訊きます。
ちなみに、私と女性医師はとある喫茶店でお会いし、次にカラオケボックスへ移動するのですが、今は喫茶店です。
頼んだアイスコーヒーの酸味が強かったという情報までは、開示しても問題ないでしょう。
続けます。
医師(以下、医)「ガリ痩せ手術」
光「脂肪吸引ですか?」
医「もっと。肉をそぎ落とすというか、剥ぐというか」
光「それを希望する人がいますか?」
医「いるの。多い」
私は踏み込んで訊きます。
光「奇形というか、異形志願者ばかりですか?」
医「そう。だってまともな手術ならまともなところへ行けばいいじゃない。でも、最近は美容整形のまともだったはずの医師も変な手術をするようになってるよね」
光「なるほど」
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