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「私たちを追い出すのなら、Rさまにいただいているおくすりをここで飲みます。みんなここで死にます。14体の人形が死んだら、ここは事故物件ですよ」
人形たちは私を見つめています。
人形などではない。この人たちは浅ましい中年女性の軍団です。
そう思いました。
ですが、その痛々しい肉体に目を向けると、私は最後まで、彼女たちを人形として扱うべきだと思い直しました。
「先生はどうしていますか?」
私は訊きました。
「こないだ、あなたが会ったのはRさまじゃありません。Rさまの手下の女性ですよ」
そして、女性は言いました。
「本当のRさまは男性です」
重要な人物の姿は見えないものです。
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