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プロローグ
───室内では少女が椅子に座り。熱心な様子で視線を送り、耳
を傾けて居た。
父は今日も不思議なクリスタルと見合い、複雑な作業を熟してい
ました。イリサには難しい魔法の製作作業。でも聞いて、理解し
なければ行けません。
「良いかい? 詰まりコレが送信機の役割を───」
私が作業を見守っていると、父は何時もイリサが退屈しないよう
にと、何をしてるのか丁寧に説明してくれます。お邪魔になるの
ではと最初は思いました。ですが父に『そんな事は無い』と言わ
れたので、研究の時間はこうして沢山話して貰え、嬉しくて楽し
い時間です。
「刻印一つ一つに別々の識別───」
自分の視線がチラリと父の横顔へ吸い寄せられてしまいます。集
中しなければ行けないのに。ああでも、父の横顔はとても格好い
いのです。勿論キッチンでお料理をしている時も、歩いている時
も。お父さんは何をしていても魅力的。……ただ寝姿、寝顔を一
度も拝見出来た事が無いのだけ、イリサはとても残念です。
「(何時かは絶対……)」
一体どんな寝顔で眠るのでしょうか? 考えるだけでも───
って、行けません行けません。今は父が説明してくれる内容をし
っかり覚えないと。お父様の為の催しに、コレが必要になります
から。
「だから自分の思った動き、イメージだね。それを───」
「……」
少女は熱心に黒の男の話を聞きつつ。時折視線が迷う───
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