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ステージ上で、永盛とアリサがリハーサルで手順をひとつひとつ確認していると、鴻円商事の社長がLAMMINを伴ってやって来た。
「あ、社長」
永盛は舞台袖に現れた社長に駆け寄る。
「今日はわざわざ来てくださり、ありがとうございます」
「これはただのコンサートではなく、我が社の事業だからな。しっかり見届けるし、本番を楽しみにしているよ」
「会社の援助がなければとてもこんなコンサートなんか開けませんでしたよ。感謝でいっぱいです」
この単独ライブコンサートを行うのにどれだけの費用と手間がかかっているのか、永盛は知らない。
「いや、きみたちの実力があってこそだよ。キャパシティ六百席が完売だからね。ちゃんと利益が出てると思うよ」
「僕よりもアリサの歌がよかったからです」
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