52人が本棚に入れています
本棚に追加
アリサの曲と歌。永盛はそれにほんの少し味付けしているにすぎないと思っている。
そのアリサも歩み寄ってくる。
「がんばって歌うので、最後まで見て行ってください」
「あたしもすごく楽しみ」
社長の横のLAMMINも笑顔で応じる。友だちも何人か来るらしい。
そこへ五崎がふらりと現れた。
「もうすぐ開場時間だから、お客さんを入れますよ。蟹山とアリサさんは楽屋に移動してください。社長とLAMMINさんの席は中央の一番いいところにとってありますので、あとで案内しますよ。とりあえず、控室に」
「そうか……では、開演までそこで待つとしよう」
社長はLAMMINを連れて係員に案内されていく。
「さて、おれはホールの外の物販コーナーに行って、売り子をやってくるよ」
五崎が言って、ステージを降りていく。ロビーではスタジオ録音したCDが販売される。音源の正式ダウンロードもCDの通販もすでにされていたが、CDを手にしていない客にむけて会場でも売るのだ。
最初のコメントを投稿しよう!