47番目の女「りこ」

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 小学三年生の秋。総ちゃんと公園で、隣同士ブランコを漕いでいるときだった。  総ちゃんが不意に言ったその言葉を、私は今でもはっきりと覚えている。 「りこ、オレ、カノジョできた!」  ショックだった。  幼稚園のころからずっと「私は総ちゃんのお嫁さんになるんだ」って思ってたから。  総ちゃんの初めての彼女は、私と同じクラスの「ありこ」という女の子だった。  ありこは、自分の体ほどの大きさもある角砂糖をウエイトトレーニングに使う、力持ちな女の子だった。  もし顔が可愛い子だったら、悔しいけれどまだ納得できたかもしれない。  ねえ総ちゃんどうして……  どうして、ありこちゃんなの……
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