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次に総ちゃんが付き合ったのは「いりこ」という女の子だった。
いりこは、アーモンドが大好きな女の子だった。よく友達の給食をおつまみしていた。そんな卑しい子だった。
総ちゃんは、どうしてこんな子を好きになったんだろう。
私は総ちゃんのことなら誰よりも知っていると思っていたけれど、次第に自信がなくなっていった。
小学四年生の夏、総ちゃんは「うりこ」と付き合い始めた。
理科の授業で学級園にヘチマを植えた。ヘチマの収穫祭は、うりこの独壇場だった。そんな彼女の姿に、総ちゃんは一目惚れしたんだと言っていた。
私はますます総ちゃんのことが分からなくなった。
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