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その次に総ちゃんが付き合ったのは「えりこ」という女の子だった。
えりこはとても真面目な女の子で、万年、学級代表をしていた。総ちゃんは宿題をよく忘れたり、掃除をサボったりしていたから、えりこは頻繁に総ちゃんの襟を正そうとしてきた。総ちゃんは息苦しくなったのだろう。えりことは、たった一週間しかもたなかった。
えりこのことで、総ちゃんは女に懲りたと言っていた。しばらく彼女のいない時期が続き、私は安心していた。
でも、そんなのは束の間の休息に過ぎなかった。
六年生になって、総ちゃんにまた彼女ができた。「おりこ」という女の子だった。
おりこは、ありこの親友だった。おりことありこは、よく糖の話で盛り上がっていた。でもいつからか、ありこのおりこを見つめる目に異常性を感じるようになったおりこは、身の危険を察してありこから距離を置くようになったらしい。
いつもありこに怯えていたおりこを見て、総ちゃんは、「オレがおりこを守ってやる!」と思ったんだって。
私はやっぱり自分が選ばれなかったことが悔しかったけれど、誰かを守ろうとする総ちゃんを見て、かっこいいと思った。
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