47番目の女「りこ」

　中学に上がる。
　もちろん総ちゃんと私は、家から一番近くの同じ中学校に進学した。総ちゃんと離れるなんて考えられないもん。
　でも、中学に入ってから総ちゃんは、どんどん遠い人になっていった。

　中学で最初に付き合った女が、純粋だった総ちゃんを変えてしまった。名を「かりこ」と言った。
　かりこについては、私の口からはとてもじゃないけど説明できない。すごく良い言葉を使って言うなら、ませた女の子だった。
　思春期真っ只中に入った総ちゃんは、かりこに色んな悪いことを教えられた。まだ中学生になったばかりなのに！　ほんっとうに信じられない！　私は今でもかりこのことが嫌いだ。
　総ちゃんに色んな初めてを教えたかりことの交際は、一年も続いた。総ちゃんにとって、かりこは今でも忘れられない女の一人かもしれない。そう思うと、私はやっぱり今でもかりこのことが大嫌いだ！
　しかもかりこは、二股どころか何十股もしていて、それに気付いた総ちゃんはすごく傷付いたみたい。すっかり心が荒れてしまった総ちゃんは、次々と色んな女の子をとっかえひっかえ付き合い始めた。