狸と狐の化かしあい

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平安の世…。 其の時代は長年に渡る平和を謳歌していた時代と伝わる。 しかしその名とは裏腹に実際は疫病が流行り、災害も後を絶たなかった。 平和と言えたのは一部の貴族に限られた。 その他の平民は常に死と隣り合わせ。 疫病や飢えに喘ぐ者が多数であった。 一方、その時代に空海と言う僧侶がいた。 彼は修行僧として旅をしていたが飢餓に飢えた者や貧困の為に悪事を働かざるを得ない者。 病人とか色々見てきて、助けてきた。 ジャリン! 錫杖をつきながら空海は漏らす。 「何が平安じゃ…蓋を開ければ民は飢え、大地は枯れ果て、魑魅魍魎の妖怪がそこらかしこに蠢いているではないか…むっ!?噂をすればそこに…!」 空海は異様な光景をまた目にした。 しかしそれは今まで見てきたものとは違うものであった。
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