30人が本棚に入れています
本棚に追加
魑魅魍魎に一人の少女が取り囲まれていた。
「悪霊退散!!」
巫女装束を羽織ったその少女が念仏を唱え彼女の前に水色の気体のような物体が渦巻く。
そこから刀剣が現れ彼女はそれを手に取った。
「妖刀大宜津比売!!」
空海の時代からも遥かな昔に実在していたとされる阿波の女神に擬えて名付けられた刀剣。
彼女は遠心力を利用し大きく旋回して妖怪達に斬りかかる。
「効かぬわっ!」
「きゃあっ!」
しかし妖怪にはそれが通じず、刀剣は少女の手から弾き出され、少女は妖怪に捕らえられてしまう。
『貴様のような田舎の巫女ごときが我々京の妖怪に敵うと思ったのかっ!』
「ぐぐぐっ!」
そのまま捕らえられ、悔しそうに、苦しそうに表情を歪ませる少女。
少女は妖怪から発せられた触手のようなものに絡みとられ、絶対絶命の危機に立たされていた。
最初のコメントを投稿しよう!