30人が本棚に入れています
本棚に追加
「か弱い女子があんな醜い妖怪達に!助けに行かなくては!!」
空海は考えるより先に身が動いた。
「貴様ら!揃いも揃って何やっているんだ!女子から手を離しなさい!!」
『なんだ貴様は!貴様も食べられに来たのか!?』
妖怪達は手を止め、一斉に空海を睨む。
空海は数珠を拳に巻きつけて、メリケンサックのように利用し妖怪に一撃を放った。
「噴っ!!」
バチイン!!
空海の数珠を巻きつけた拳から霊気が走り、それは電撃となって破裂音を巻き起こした。
『ギャアァ痛いっ!!』
妖怪は狐と狸に化けて逃げて行ってしまった。
空海が放ったのは念を込めた拳で霊を封じ込めるのに使う仏拳法の拳技である。
「狐や狸であったか…最近助平な動物霊が増えたものだ…」
数珠をしまう空海。
少女は力無く地に崩れた。
「少女よ、怪我は無いか?」
「ありがとうございます…」
空海は少女に手を差し伸べて少女が礼を良いながら空海の手に掴まった。
「この辺鄙な所で少女が一人でうろついてると危険だぞ!家に送ってあげるから…」「あの…っ!」
空海がそう言おうとした時少女からそれを差し止められた。
そして少女の次に放つ言葉は更に空海を驚かせるものだった。
「貴方の強さを見込んでお願いがあります!私を黄泉窟まで送っていただけますか?」
「なんとっ!?」
空海は目を大きく見開かせた。
最初のコメントを投稿しよう!