覚醒したジゼルのまなざし

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　うちの会社、メディア・フロンティアは、パソコンで印刷物の印画紙出力用のデータを作るDTP作業や、簡単なデザインそのもの、また実際に印刷に使う印画紙の出力などを扱う、プリプレス、印刷前の工程をすべて請け負う会社である。

　俺は隔週刊のゲーム雑誌「ポポイ！」の原稿を処理する班の班長だった。ちなみに本社は新橋にあり、我孫子のここはサテライト・オフィスとしての実験場でもあった。
　また、俺はときどきメディア・フロンティアが開く、アドビのフォトショップやインデザイン講座の講師も兼ねていた。

　実をいえばこの仕事は眼と肩にきつく、また適性もあるので入っては辞めてゆく新人も多い。また、どこにも進路を決めていない受講生には、メディア・フロンティアへ就職の声をかけるかけないの判断も俺には任されていた。

　もう一つ、メディア・フロンティアの滝本社長や我孫子サテライト・オフィスの樫木課長じきじきでのプロジェクトが秘密裡に進行していた。

　本稿は概ねそのプロジェクトを巡るものである。
　社長と所長には大失敗、俺にとっては一生ものの大成功だが。