サブリミナルでハゲモテドン! それは人を救うおまじない? ⑦

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サブリミナルでハゲモテドン! それは人を救うおまじない? ⑦

 アキは台所に行くと冷蔵庫を開けた。そして、中からペットボトルの麦茶を取りだして恭平に手渡した。 「お兄ちゃん、これで本番、いくわよ」 「うん。分かった」  アキはボタンを押して、再び不思議な音楽をかける。そして、また声色を変えて甲高い声を出した。 『この声は人間の耳には聞こえない』 「え、何を言ってるんですか。読者の皆様、僕には何も聞こえてないんです…ほんとですよ」 「そう、そう。さあ、お兄ちゃん、麦茶を飲んで」 「OK! 」  恭平はペットボトルのキャップを開けると、右手にキャップを持ったまま、左手でペットボトルを持ち上げて口にくわえた。 「ゴクンゴクンゴクン…」 「今、ペットボトルの麦茶を飲んでるお兄ちゃんに、十分に気を送ったこのマイクから、人間の耳では聞こえない2万ヘルツ以上の声で」  アキ、マイクに向かって叫んだ。 『飲んでる麦茶は、チョコボールである!! 』  恭平は急にペットボトルから口を外した。 「えー!! 麦茶なのにチョコボールみたいな味がする」 「と、ペットボトルの麦茶をチョコボールと間違えて、おもわずペットボトルのキャップの裏に…」  恭平は右手にあるペットボトルのキャップに目をやると、キャップを天に掲げた。 「やった!! 金のエンジェルだ。おもちゃの缶詰もらえるぞ! 」 「と、金のエンゼルと銀のエンゼルの幻を見てしまう」 恭平はアキに駆け寄った。 「なんて恐ろしい技なんだ」 「ええ。そのあまりの影響力のすごさにアメリカペンタゴンでは重要機密、四千年の歴史をもつ中国少林寺では門外不出。そして…」 「そして…」 「新宿の、とあるクリニックでは、四十万円の壷とセットで販売しているほどよ」 「それはあかんやろう」 「そやな…」。 「とにかくすごい。アキちゃん、お願いだ! 僕にサブミナルカラオケをかけておくれ! 」 「うーん、かけてもいいけど、人によっては副作用があるかもしれないわよ」 「副作用…」
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