小学生アキちゃん登場。なんでも身の下話が得意だそうで… ②

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小学生アキちゃん登場。なんでも身の下話が得意だそうで… ②

「別に…」 「ううん。やっぱり元気ないわ。お兄ちゃんが元気なかったら、ウチまでなんか落ち込むわ」 「アキちゃん…ありがとう」 「そうや! そんなふうに落ち込むときは、関西人にはこれ、これにかぎるねん。それ! 」  そう言うとアキは持っていたカラオケプレーヤーで阪神タイガースの応援歌、六甲おろしの歌をかけて、マイクを持って歌い出した。アキの歌を、ただ静かにうつむきながら聴く恭平。そして、アキが歌い終えると、恭平は急に叫び始めた。 「バース! バース! どこ行ったんだよ。帰ってきておくれ! カムバック、バース!! 」  「あかんわ、暗い。奇跡的に優勝して日本一になった、あの昭和60年を、まだ引きずってる…でも、あかんな。関西人が六甲おろしを歌っても、全然元気になれへんなんて、ほんまにお兄ちゃん、なんか悩み事、あるんやろ」 「小学生には関係ない話や」 「ウチを馬鹿にしたあかんで。これでも小学校では身の下話のアキって有名なんやから」 「それを言うのなら、身の上話やろう」 「ううん。身の下話でええねん」 「なんで身の下なん? 」 「この頃の小学生の女の子っていうのは、みんな成長が早いんや。ウチら小学4年生でも、もうピーにピーがピーしている子なんかいて、意外に悩んでいる子がいるのよ」 「ピーってなに」 「放送禁止用語、R18指定描写に決まってるやん」 「え! じゃあ、なに! もう小学4年生でピーにピーしてピーしてる子がいるの…すすんでるな。俺なんか中学生の時に、チョボチョボと…」 「はあ? 」 「いや、こっちの話でーす」 「そう…で、やっぱり女の子やから先生にも親にも相談でけへんのよ…はずかしくて。ウチはそんな相談を保健室の先生に代わって受けてあげてるわけ。だから身の下相談のアキ。どうお兄ちゃん、おそれいったか! 」 「ははー、お見それいたしました」  恭平、アキの前にひれ伏して頭を下げた。 「だからね、山田君。まあ、その、なんだ。気兼ねせずに相談にのってあげるからどんどん話してごらんよ」 「はい。実は…」
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