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サブリミナルでハゲモテドン! それは人を救うおまじない? ②
急に恭平が柱に抱きつき、セミの鳴き声をした。
「ミーンミーンミーンミーン、ツクツクボウシツクツクボウシ―、シイイイイイイ…」
「夏っぽい…それって、昔の回想シーン? 」
恭平は柱から離れると、手を上げた。
「西田さん、こっちこっち」
「始まった…」
アキは床に座って、カラオケスピーカーとマイクを横に置くと、三角座りしながら恭平のを見つめた。
「あの日の西田さんはポシェットを肩からかけ、麦わら帽子をかぶっていた。そして、生駒山から大阪を一望しながら
『このへんなの、関西でいちばん空飛ぶ円盤が目撃されているって言う場所は』
て大きな瞳で僕を見つめた。
『西田さん、本当に僕の話を信じてくれるんだね』
すると、彼女は笑って答えた。
『もちろんよ。山田君がとなえる、生駒宇宙人基地説って、この前、テレビで放送してたヤツでしょう。私も見たけど、あの放送、信憑性あったもの』
『ありがとう。西田さんだけだよ、信じてくれるのは。他の考古クラブの連中ときたら話さえ聞いてくれない』
そのとき、彼女がくしゃみをした。
『クシュン』
『西田さん、どうしたの? 』
『夏かぜをひいたのかしら。朝からずっとこうなの。昨日の夜、冷房をかけて寝たのが悪かったのね』
『もうしかして、今日、誘って悪かったかな』
『ううん。大丈夫。私、空飛ぶ円盤を見るの楽しみにしていたから。それに別の約束もあるし…』
『別の約束って? 』
と僕が聞き返したとき、彼女は東の空を指さした。
『あ、円盤! 』
『え! 』
僕はズボンのポケットからフィルムカメラ・写ルンですを取り出した。
『どこ、どこ? 』
『ほら、あそこ! 』
『本当だ…すごい! ぐるぐる山頂の上を回りながら飛んでいる…よーし! 』
僕がシャッターを押そうとした…その瞬間、またも彼女が大きなくしゃみをした。
『ヘッ、クシュン』
『あっ!』
驚いた僕はシャッターを押しながら大きくカメラを動かしてしまった。
『ごめんなさい…写真、ブレちゃったわね』
鼻をこすりながら謝る西田さんを…可愛い…と胸ドキュンになった僕は、今日の本当の目的、告白をする決心をしたんだ…。
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