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サブリミナルでハゲモテドン! それは人を救うおまじない? ③
『写真なんか、ブレたって良いんだよ…ほんというと空飛ぶ円盤なんかどうでもよかったんです。本当は、西田さんとこうやって二人っきりで会う…その口実だったんです』
僕は話を始めた。けど、西田さんは、
『そう…』
と僕の横で生半可な返事をしていた…今思えば彼女は僕の話なんか上の空で、鼻をすすりながらポシェットの中のティッシュを探していたんだ。でも、緊張していた僕は、そんなことにも気づかず、胸のポケットに大事にしまっていた綺麗な白い封筒…彼女へのラブレターを取り出した。そして、
『西田さん。ぼ、僕の素直な、き、気持ちです。どうぞ受け取ってください! 』
とラブレターを手渡した。すると、ポシェットを逆さまにして、ティッシュを必死で探していた彼女は
『山田さん、ありがとう! 』
て、うれしそうにラブレターを受け取ると僕に背を向けて、
『チーン!! 』
と、僕のラブレターで、いきなり鼻をかんだ!! 」
「ええ! ラブレターを鼻紙と間違えたんか! 」
アキが立ち上がった。
「そう…そして、彼女は思いっきり鼻をかむと、目の前にあったゴミ箱に、僕のラブレターをクシャクシャにして捨てたんだ」
「つらいな…」
「そして! 」
「まだ、あんの? 」
「彼女はラブレターを捨てた後、急に
『あっ、はーい! 』
と可愛い声を出して、僕の背後に向かって手を振ったんだ。振り返ると、そこには同じ考古クラブのイケメン渡辺がいた」
「イケメン渡辺…それって、もしかして」
「ああ…それが彼女の別の約束だったんだ。
『実は渡辺君と生駒山上の遊園地でデートの待ち合わせしてたの。今日はありがとう。写真できたら見せてね。じゃあ』
て僕に告げると、渡辺に駆け寄って…うれしそうに渡辺と手をつないで歩いた。その彼女の後ろ姿に、僕は嫉妬と殺意に心を奪われた…
『奪われるくらいなら、いっそこの手で彼女を殺したい! くそー!! 』
と、遠くにいる彼女に向かって、僕は手を伸ばした…すると、見えないけど、確かに感じる透明な手が僕の手の先から伸びて、彼女の首を絞め始めたんだ…」
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