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 男女で誰かのアパートに集まって飲む、なんてのはよくある話だ。    だからって、あたしが女の子一人になったからって、押し倒されなきゃならない理由になるのか。    喉が押し潰され、上手く息が吸えない。からだを起こすことすらままならぬ、呆然とした天井。木の色はうちと似ている。    胸元をなめくじが動き回ったかの感触。重ねようとした下着がべっとり唾液にまみれて、吐き気をもよおす。    起き上がるのがやっとで、玄関先の物音に注意を払っていなかった。だから、   「重山さん」    急に開いた扉に対処出来なかった。    慌てて前を隠し、顔だけ振り返るも、   「……みんなは?」    がらんどうの部屋にも。   「さあね。重山さん、さっき浅岡(あさおか)とヤってたっしょ」    ボタンを留める手が震える。早く、しろ。    誰ひとりいないこの部屋に、違和感を覚えるだろ。   「俺、変な気分になっちゃってさーお願い」    立ち上がる。   「ヌいてくんない?」
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