落雷

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「ただいま。舞、大丈夫か? 雨はやんでるよ。」 夫が押入れの戸を開けた。 押入れの中で布団にくるまっていた。 「あのね。雷がなったの。1700m先に落ちたの。」 「そうか、偉かったな。ちゃんと数えたんだ。」 夫が教えてくれた。 空が光ったら数を数えろって… 後は木の下で雨宿りは危険だって… 夫は物知りだ。 私よりも15も年上だ。 今日もカウセリングをしてくれる。 これで今夜も安心して眠れる。 夫は雷にうたれときにカウセリングしてくれた先生だ。 一生、安心して暮らせるように面倒みてくれるって両親を説得してくれた。 夫がいれば何も怖くない。 雷が結んだ縁だ。 少し、雷も怖くなくなった… でも、怖いふりをする。 雨の日は夫が心配して大事にしてくれる。 待ち遠しい日になった。
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