落雷

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落雷

楓の木が好きだ。 葉っぱの形も可愛いし匂いもいい。 家に帰る途中、楓の巨木がある。 夏は日よけになって涼しい。 その日は、雨宿りをしていた。 葉が生い茂って雨に濡れなかった。 しとしと降ってた雨が急に土砂降りになった。 ピカッ 突然、空が光った。 それは、あっと言う間の出来事だった。 ドスーンという大きな音ともに地面が揺れた。 雷が落ちたのだ。 私は大きな木の下で雷にうたれた。 雷は、大木を直撃し2つに切り裂いた。 私は倒木の下敷きになった。 近くの家の人が救急車を呼んでくれた。 怪我は大した事はなかった。 打撲と擦過傷だ。 親になんで木の下で雨宿りなんてするんだと しこたま叱られた。 それから、退院しても暫く通院した。 PTSD(心的外傷後ストレス障害)になったのだ。 雨の日が怖い。 雷が怖い。 雨が降ると恐怖で動けない。 雨なんて大嫌い。
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