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時間の中へ
アマビエ様にはなしているうちに、心ちゃんの目には、どんどん、どんどんなみだがたまってきます。
「・・ふーん、心ちゃんのママが休めない理由が、あたいには理解できないけどね・・」
アマビエ様は、心ちゃんの部屋をフワフワととんでひとまわりしました。
「こんなに色んなものがたくさんあって、おなかをすかすことなく、くらしていけているのにね・・・」
アマビエ様は、心ちゃんのつくえの上にある色んな形の文房具を取り上げてながめたり、本だなによっていって、沢山の本を広げてながめたり。
食べかけの色んなお菓子。お昼ご飯の心ちゃんの嫌いな残り物をながめたり。
そしてふーんと、うでをくん首をかしげます。
「じゃあどうすればいいか、方法をさがしにいこうか!」
アマビエ様は、急に壁をさししめします。そこのかべだけ、心ちゃんのほうに向かってゆらゆらとせまってきます。心ちゃんの手をつかんでアマビエ様は『時間の中』にひっぱっていきます。
からだがぐにゃっと、かべにすいこまれました。心ちゃんは、周りの景色が体操ででんぐり返しを何度も何度もしている感じに見えて、とても気持ちが悪くなり目をつぶってぐっと両手を握ります。
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