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「はぁぁぁぁぁ。」
とため息を吐いて、鞄からスマホを取り出して定位置に置く。
点滅が見えて再び手にして、画面をスクロールさせた。
着信履歴……そこには自分の番号。
「また触った?操作方法読み直した方がいいかな?」
鍵を探す度にこれでは面倒だ。
ふと着信履歴の時間に目を落とす。
二十二時二十一分。
テレビの時計を見る。
二十三時。
(二十一分は…まだ歩いてる途中のはず。家の前に居たのは五分足らずだもの。そんなに長くはなかった。駅を出て歩いてる頃だ。スマホ…鳴った?)
少しゾッとして鳥肌が立った。
が、すぐに考えを改めた。
「高級レストランにいて、マナーモードにしたわよ!うん!そのままだったはず!歩いてたら振動には気付かないわよね。うん!!」
強く言い聞かせる。
が……謎も残った。
(何もしてない鞄の中。鍵を探すために手も入れてない。歩いてるだけ。それでどうして誤作動するの?自分の番号で着信が来るの?)
翌日、携帯のお店に行こうと考えた。
携帯のお店にバイトに行く前に寄り、スマホの話をした。
着信履歴を見せるとお店の人も首を傾げた。
「おかしいですねぇ。少しお調べしますのでお待ち頂けますか?」
「はい、お願いします。」
(やっぱりおかしいのかぁ。)
と思うと、少し寒気がした。
嫌な気分だった。
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