プロローグ

1/1
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ

プロローグ

私の人生はあの坂のおかげで変わった。 ーー365日前 これは高校1年生の春休みのことだ。 私は両親がいなく、お爺ちゃんと2人で暮らしている。 お爺ちゃんがぎっくり腰になったから私は湿布を買いに家の近くにあるドラッグストアに向かっていた。 この日は凄い風が強い日だった。 私は走って向かっていた。 そのとき、急に突風が吹き私の帽子が坂の下まで飛んで行ってしまった。 私は帽子を諦めてドラックストアに向かおうとした。 そのとき、坂の下から誰かに呼ばれた。 「おーい! 帽子帽子飛んできたよ!」 私は目が悪く急いでいたせいでこの日は眼鏡をしていなかった。 彼は坂を走って登ってきて帽子を渡してくれた。 「あ、ありがとう……」 「気をつけろよ!」 彼はそう言うと坂を降りていった。 「う、うん」 私はこの時、胸の鼓動がすごかった。 「なんだろうこの気持ち……胸がキュンとして心臓がドキドキする」 私はドラッグストアで湿布を買い家に帰った。 「ただいま」 私はお爺ちゃんの元へ行き湿布を貼ってあげた。 「すまないな、巫女」 「なんかあったら呼んでね」 私はそう言うと自分の部屋に行きベッドにダイブした。 「まだドキドキしてる」 私はこの気持ちが何か幼馴染み野崎凪に聞くことにした。 LINEで凪に聞いた。 「凪聞きたいことがあるんだけど」 凪は成績優秀、容姿端麗、運動神経最高の誰もが憧れる男子だった。 ーー2分後 「なんだ?」 「あのさ、なんか胸がキュンてして心臓がドキドキするの」 「多分それ恋だよ」 凪の予想外の発言に動揺してしまった。 「恋なんかじゃないよ……」 私は1度恋して嫌な思いをしたことがあり、それからもう恋なんてしないと決めていた。 こうして春休みが終わり、私は高校2年生になった。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!