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bfcc0c48-a5cd-444c-99ac-6ee943062008  翌朝、いつものようにドニおじいさんとシュシュがやってくると、つぼみ姫はあいさつもそこそこに、ドニおじいさんに尋ねました。 「ねぇ、ドニおじいさん。『老いぼれ』ってなんのこと?」  ドニおじいさんはびっくりしてつぼみ姫に聞きました。 「どうやってそんな言葉を知ったんだい?」 「昨日の晩、花たちに聞いたの。ドニおじいさんが老いぼれで、シュシュは年寄りだって。ねぇ、老いぼれってなんのこと? 年寄りってどういうことなの?」 「やれやれ、困った花たちだ」  ドニおじいさんは肩をすくめて白い頭をかきました。 「老いぼれというのも年寄りというのも、年を取っているということだよ」 「年を取っているってどういうことなの?」 「長く生きているってことさ」 「でも、それっていけないことなの? 何か問題があるの? だって、森の木々だって長く生きているのでしょ?」 「うん、そうだね。長く生きることは、いけないことではないんだよ。問題という問題があるわけでもないが、人間や動物は年を取ると思うように体を動かしにくくなるからね、その点だけ不自由と言えば、まぁそうかもしれない。だが生きていると、みんないつかは年を取って、わしやシュシュのようになるんだよ」 「わたしもいつかそうなるの?」 「さてなぁ、おまえさんは花だから、わしやシュシュとまるっきり同じってわけじゃないだろうからねぇ。でもいずれにしたって、つぼみが開かないうちからそんなことを心配しなくてもいいんだよ」 「わたし、つぼみが開くなら年を取って不自由になってもいいわ。ねぇドニおじいさん、やっぱりわたしは今日も開かないのかしら。このままずっとつぼみのままだったら、どうしたらいいのかしら」  ドニおじいさんは静かに首を振りました。 「必ず咲くよ。そのときが来たら、おまえさんは誰よりも美しい花を咲かせるよ」 「でも、それはいったいいつなの?」 「花にはみんな咲くにふさわしい時があるんだよ。大事なのは、必ず咲くことをきちんと知っていることだよ」  ドニおじいさんはつぼみ姫を諭すように優しく言いました。 bb2a4dd6-429f-4529-8db1-ee684bdef6b8
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