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d85763d4-aeb1-4462-b320-d5a769beb3e9  つぼみ姫はいつも朝になって輝く日の光が庭園を明るく色づかせ始めると、シュシュを連れたドニおじいさんが、少し曲がった腰をときおり伸ばすようにしながら、ゆっくりゆっくり花々の間を歩いて来るのを、今か今かと待ちました。ドニおじいさんの白い髪におおわれた頭や、同じく白いシュシュのふさふさしたしっぽの先などが、居丈高に咲き誇るヒヤシンスやアイリスの向こうに見えたときの喜びと言ったら! つぼみ姫はしなやかな茎をしならせて、全身で嬉しい気持ちを表しました。そんなとき、つぼみ姫の美しいつぼみは、いつにもまして光り輝くようでした。  つぼみ姫はドニおじいさんが大好きでした。それに、おしゃべりはできないけれど、いつもお行儀よくドニおじいさんの隣に寄り添って、つぼみ姫とドニおじいさんの会話を聞いているシュシュのことも、やはり大好きなのでした。  その一方で、ドニおじいさんが帰ってしまう夕方は嫌いでした。ドニおじいさんはつぼみ姫以外の花の言葉は聞こえませんでしたが、花たちはいつなんどき自分たちの話に聞き耳を立てられるかもしれないと警戒していました。それでドニおじいさんの前ではいつもいい子のふりをして、おとなしく風に揺れているのですが、ドニおじいさんが帰ってしまうと、とたんにつぼみ姫を馬鹿にするようなことを言ったり、からかったりするのでした。  でもつぼみ姫がいちばん辛かったのは、花たちが口にするドニおじいさんやシュシュの悪口を聞かされることでした。 ceeda6a1-5cc2-48e2-9fc1-694ff6c9e407
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