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ac3404a3-90e6-405b-ad95-1e552f804063  その日も、ドニおじいさんはシュシュと一緒にやって来ました。ドニおじいさんはしわがれた優しい声で、つぼみ姫にいつもの朝のあいさつをしました。 「つぼみ姫、おはようさん。今日もいい天気だね」  つぼみ姫も喜びにあふれるにこやかな声であいさつを返しました。 「ええ、今朝はおひさまがいつもよりご機嫌みたい。ドニおじいさんのご機嫌はいかが?」 「いい気分だよ。ありがとう」 「そう、よかったわ。それじゃシュシュは?」  問われて、シュシュはふんわりとやわらかなしっぽを振ると、可愛らしい声で鳴きました。 「にゃあん」 「シュシュもご機嫌なのね」 「さぁ、つぼみ姫。お水をたっぷりお浴び」  ドニおじいさんはジョウロから、冷たくておいしい水をつぼみ姫にかけてくれました。つぼみ姫は気持ちよさそうに体をふるわせました。  ドニおじいさんはつぼみ姫の華奢な茎や葉についた虫を、ひとつずつ丁寧に取ってくれました。すっかりきれいになると、ドニおじいさんはうーんと腰を伸ばし、すぐそばでおとなしく毛繕いをしていたシュシュに声をかけました。 「さて、そろそろお昼にするかな、シュシュ」  シュシュは嬉しそうにしっぽを振りました。 34cf0485-27fa-4144-82e6-6d9bca1b6d8c
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