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ドニおじいさんはつぼみ姫をいたわるように、優しく微笑んで言いました。
「心配しなくても大丈夫さ。いつかきっとつぼみは開くよ」
「でも、それはいつ?」
「時が来たらさ」
「その時はいつ?」
「準備が整ったときだよ」
「でも、わたしの準備はもう整っているわ。ねぇ、どうしてわたしは咲かないのかしら」
ドニおじいさんは困った顔で微笑みました。
「正直に言うと、なぜおまえさんがずっとつぼみのままなのか、わしにもその理由がわからんのだよ。だけど、これだけはわかる。おまえさんはいつかきっと、素晴らしい花を咲かせるよ。その時が来たら、おまえさんは誰よりも美しい花になる。その時のために、今はじっくり体の隅々まであたためて、力を蓄えておくんだよ」
つぼみ姫はドニおじいさんの言葉を黙って聞いていました。つぼみ姫はほんとうはちっとも納得なんてしていませんでしたが、困ったように微笑んで自分を見ているドニおじいさんを前にすると、何も言えなくなったのでした。
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