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『ガラの悪い女だな』
『おやじ、こんな子のどこがいいんだろうな?』
長男と次男がヒソヒソ話しているけど、全部丸聞こえ。
ふんっ。
悪かったわねー、ガラが悪くて。
あんたらと違って育ちが悪いもんで。
「まぁとにかく、そういうことだ。
俺が留守にしている間、家事一切は里奈ちゃんに全て任せるから。
あんまり彼女の手を煩わせるなよ」
「えっ、じゃあ食事もこの子が作るってこと?」
長男の言葉に、沢村さんは当然と言った。
「わかってると思うけど、勝手な外食外泊は禁止だからな。
お前らの行動は全部里奈ちゃんに報告してもらうから。
おかしな行動をとったヤツの小遣いはないものと思え」
小遣い無しって言われて、三兄弟が顔を引きつらせている。
こんなことでおとなしくなるなんて、所詮高校生の男子なんてガキってことなのかな。
なんか笑える。
「ふん。まぁお手並み拝見といこうか」
次男が鼻で笑ったから、思わずギロリと睨んだ。
火花を散らす私と次男。
見てなさいよー。
半年間、立派にやり遂げてやるんだから!
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