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『トップ』
聞こえは良いかもしれないけど、それは別に成績が良いとか何かの才能に秀でているとか、そんな立派なもんじゃない。
別にこんなもの欲しかったわけじゃない。
気がつけばみんなに担ぎ上げられて、そう呼ばれるようになっただけ。
こんな称号をもらったって、他校の生徒にケンカを吹っかけられるのがオチだ。
「学費や生活費を稼ぐために、キャバクラで年齢を偽ってアルバイト中。
どう? 合ってる?」
「な、何が目的なの?
まさか警察に言うつもり?」
確かバレたら、店長が逮捕されるんじゃなかったっけ。
それは困るんだけど。
「別に告げ口なんかしないよ。
ここの店長とは昔から仲が良いんだ。
彼を危険にさらすようなマネはしない。
だけどこんなこと、いつバレてもおかしくないからね。
そうなると一番困るのは彼だ。
だから、出来れば今日で辞めてもらいたいんだけどね」
「ちょっ、それは困るよ」
「何が困る?」
だって、と私は続けた。
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