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その日から、裕太は段々ロボットを信頼しなくなっていった。どうせロボットだ。人の気持ちなんか何か分かりやしない。
すごい恥をかいてしまった。
街を歩いているとき、道路にガムがくっついているのを見つけたが、ロボットに助けてられる前に自分でよけた。ロボットは相変わらず斜め後ろを歩いて付いてくる。
何も言わずに付いてくるこのポンコツにうんざりし始めていた。
翌日。教室に入った。ロボットも付いてきた。クラスのみんなはもうロボットには興味を持たなくなっていた。むしろ、休み時間には叩いたり蹴ったりして遊ぶようになっていた。裕太もそれに便乗した。掃除用の箒を持ち、日頃のイライラを晴らすかのように、頭を殴った。カーンと金属の響く音がした。
段々ロボットの調子は悪くなっていった。ギュンギュンという音からガリガリという音に変わっていった。体は錆びていた。街の人は段々壊れていくロボットと裕太をジロジロと見つめる。裕太は気分が悪かった。
その時、裕太は小さな石につまずいた。そのまま体は前のめりになり、顔から地面に突っ込んだ。額から少しの血が出た。通りかかった人達は慌てて助けに来てくれた。今まで転んだ中で一番痛かった。額を抑え立ち上がり、裕太はロボットの方を向いた。ロボットは何も無かったかのように突っ立っていた。
「この役たたずーーーーーー!!」
裕太は思いっきりロボットに飛び蹴りをした。ロボットは力なく後ろにひっくり返った。ガシャーーンと音をたて、その衝撃で顔の黒いガラスにヒビが入った。裕太は全速力でその場から走り去った。
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