今日も君を思って空を見上げる

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やまない雨が降る。 僕は呆然と、傘を持って立ちすくむ。 雨音がうるさい。 ああ、そうだ、雨音で聞こえなかった、なんて言っていますぐ君を連れ戻したい。 この場所は、僕らの特別だった。 どこまでまっすぐな道が続いていて、僕らはいつも気を抜けば見逃してしまいそうなベンチに腰掛けて、手を繋ぎながら、どうでもいい話をしていた。 本当に記憶からすり抜けていきそうな話をしていたから、僕は後悔している。 どうでも良くない話だって、もっとするべきだったのかもしれないって。 君のことが大好きとか、こっち向いて、キスをして、抱きしめたいとか。 そんなことを、大切な話を、僕らはどうして話題にしてこなかったのだろうか。 雨は、記憶をどこかに流れ出していくわけでもなく、水たまりの中に2人が笑い合っていた顔と悲しそうな僕の顔を映し出していた。
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