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「え~、会議室にですか~? わかりましたー!」
奈都と和泉に連れられて、多恵がフロアを後にする。
どうやら別室にある会議室で、三人だけで話すみたいだ。
フロアを離れていく三人の背中を見送りながら、澄絵は胸の中の不安が爆発しそうになるのを感じていた。
(捨石さん、どうして? ううん、それより……)
多恵と澄絵は、共に今年の四月に入社した同期だ。ただし、大卒である多恵は短大卒の澄絵よりも年上である。
ハキハキと明るく、先輩である奈都とも友人のように話す多恵。その彼女に、澄絵は少し気後れするところがあった。
(三人で……何を話してるの? 捨石さんが言ったみたいに、こっちのセリフの方がエモいからこれで行こうとか……そんな話をしてるんじゃ……)
澄絵の不安は、それだけに留まらない。
今回のセリフについて、多恵の案を採用されるだけではない。
更にはシナリオライターをも、澄絵から多恵に変更されたりしないだろうか。
常に自信たっぷりで、ディレクターである奈都とも仲の良い多恵のことだ。その姿を思い描くと、不安が止まらない。
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