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(……ダメ。悪い考えが離れていかない……私も……行こう!)
澄絵は自分に課せられた仕事をしないといけないのに、最悪の予想が思考を遮って何も手が付かない。
とうとう居ても立ってもいられず、澄絵も席を立った。
目指すのは、廊下を挟んだ先にある会議室。三人が話しているであろう場所だ。
(シナリオライターは……私。その私にだって関係ある話なんだから、入室も認めてもらえるはず)
辿り着いた会議室の前で、深呼吸を繰り返す。
閉ざされたドアを見つめる程に、緊張も増していく。
部屋に入ろうかどうかと澄絵が迷っていると、ドアノブがガチャリと回った。
「あ……和泉、さん?」
会議室から姿を現したのは、和泉だった。
和泉は廊下に澄絵の姿を認めると、少しだけ目を見開いた。
それから何も言わず、廊下に出ると会議室のドアをそっと閉じた。そのドアの隙間から、奈都の声が微かに漏れ聞こえた。
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