やまない雨はないから【差分】

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 朝、翼は久々の爽快な目覚めを迎えた。 「あぁ、よく眠った!」  しかし、この身体の甘だるさは何だろう。 「……、あ!」  昨夜の自分を、思い出した。  焼肉やカラオケをご馳走になった渡さんを、家に誘って。  あろうことか……。 「おねだりして、抱いてもらうなんて!」  恥ずかしいやらばつが悪いやらで、合わせる顔が無い。 「しかも、『和哉さん』とか呼んでたし」  ふらふらと、起き上がった。  その和哉は、すでに姿を消している。  きっと呆れて、帰ってしまったに違いない。 「ああ、もう。どうしよう」  パジャマのまま寝室を出ると、キッチンから良い匂いが漂ってきた。 「起きたか。おはよう」 「渡さん!?」  そこには、フライパンを手にした和哉が立っていた。
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