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「渡さん、いえ、和哉さん」
「え!?」
なぜ、ここで『和哉さん』!?
「今夜、泊ってもいいですか」
「う、うちに?」
「はい」
僕、今から光ろうと思います。
このホタルみたいに、恋をしたいと思うんです。
「峰松くん……」
「翼、って呼んでください」
いいのかな。
俺で、いいのかな、峰松くん?
「俺は、優しいだけの退屈な男だよ?」
「それは、お付き合いをして僕が見極めたいと思います」
いいのかな。
俺、恋なんて何年もしてないよ?
くん、と翼が背伸びをしてきた。
「和哉さん」
「翼……」
二人で、優しいキスをした。
雨上がりの夜に、ホタル灯の中で新しい恋が芽生えた。
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