あの日の記憶

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 その後先生は部屋を出て看護師さんもどこかに行ったようだ。 (私、どれくらい寝てたのかしら、太陽が眩しい) 紗奈は起き上がろうとしたが力が出ずそのまま天井を見つめたまま時を過ごした。 (あの子……春樹くんは無事なのかしら)  あの日、あの男の子を守れたのか、紗奈は気になっていた。 また彼に会えるだろうか。 「春樹くん……」 微かに紗奈の喉から声が出た。  しばらくすると紗奈の父と母が病室にやってきた。2人は涙を流し紗奈の手を握った。   「2年も……眠っていたのね紗奈」 母が不意にそう言った。 (え、私2年も寝てたの。じゃあ今23歳……) 「ああ、ちょうど二年前のこの日だったな」 父がそういった。 「そっか……」 微かな声で紗奈はそういった。父と母は紗奈の声を聞き更に涙を流した。  その後父と母は先生に呼ばれ部屋を出ていった。 看護師が様子を見に来た。 「あ……」 紗奈は力を出し窓を指さした。察した看護師は窓を閉めた。 「今日はよく晴れてるからね。たしかに眩しいわよね。」 紗奈は身体に痺れを感じた。 (ねぇ看護師さん、私の体、元通りになるのかしら)
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