私のお姫様

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彼女が彼氏を紹介してきたら、私は彼女と少しだけ距離を取る。 だけど、数ヶ月経てば彼氏と別れて彼女は1人になる。 そうしたら、私はまた彼女に寄り添うのだ。 そして私に彼氏が出来たら、3人で仲良くすればいい。 「またあの子くんの?」 ファーストフード店で向かい合わせに座る彼は、不機嫌そうにストローを噛んでいた。 周りの雑音のせいで聞き間違えたのかと思ったけれど、彼の表情を見る限り聞き間違いではないようだった。 「嫌なの?」 私の問いに、彼は何も言わずに口をとんがらせていた。 「ごめん、気づかなくて。 でもあの子、寂しがり屋だからさ。」 彼は上目遣いでチラッと私を見ると大きくため息をついた。 「ごめん。」 私はそう言うしかなかった。 だって、あと10分もすれば彼女がやってくるからだ。
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