09

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~ オオカミくん 視点 ~ ついてはいけない、嘘をついた 俺はフェンリルじゃない 只のオオカミなのに、 ハルくんが欲しくて、ハルくんが不安になるような事を取り除きたくて嘘をついた いつか、そう遠くない未来に彼を残してしまうかも知れないのに 俺は……なにがなんでも番になりたい為に 永久に真実を言えなくなる、嘘を付いたんだ ハルくんは思っていた以上に繊細で、 強くて、優しくて、そして臆病だ 化け狸だと言うことを気にして、 年齢差を感じて、他の獣と違うことを気にしていた 害獣?そんなの有り得ない、俺が想う獣は そんな誰かに迷惑かけるような獣じゃない 「 はぁ、アラン……待ってくれ…… 」 「 待てない 」 華奢な身体……真っ白な肌はほんのり赤く色付き 触れる事に戸惑って、散々俺を抱いて妊娠までさせたオスは、今はか弱く小刻みに震えている この行為が初めてなんだと気付いたけど 余裕なんて、どこにも無いから ちょっと痛いけど我慢してね…… 俺だって我慢したんだから、ハルくんも受け入れて 「 ひっ、ぁ、っ! 」 「 くっ…… 」 脚を開かせ、慣らしてない孔へと自身の熱くなった陰茎を埋めれば 彼は開かれる感覚にぐっと目を閉じ、顔を背ければ腰を反らし、中をキツく締め付けてくる 挿入した事で本能的に、中で膨張して 抜けないように直腸を満たせば、ハルくんの手に触れ指を絡めて、身体を下げる 「 はぁ、ハルくん……繋がったよ…… 」 「 っ……思った以上に、キツいな…… 」 「 そうでしょ、俺も大変だったんだからね 」 彼の中は繋がった時のように、熱くて溶けそうな程に芯から熱が上がる感覚がする じんわりと汗を滲ませる表現を見てから、額へと口付けを落とせば、うっすらと赤い瞳は俺を写して 後頭部の髪へと触れた 「 はぁ、アラン…… 」 「 ん…… 」 キスをねだるように名を呼ばれ腰は震える 動くこと無く彼の内部が形に慣れるまで 何度もキスをしよう 「 んっ、ン…… 」 「 ん、ん…… 」 重ねた唇から伝わる込み上げる感覚はなんだろう 好きだなって実感してるぐらいグツグツと煮え上がる リップ音を鳴らし、キスをしながら頬に触れる手で 彼の胸元や陰茎を撫でて そっと開いた唇の割れ目から、舌先を滑り入れれば 求めるように彼の舌と重なり、擦り合わさる 「 はぁ、ンッ…… 」 「 あっ、っ……ん…… 」 熱い……舌が、焼けるように熱いのに…… 心地好くて、密かに鼻から抜けるような喘ぎ声は漏れる 情けないね、今は攻めなのに喘ぎそう 嫌いにならないでね、喘いでも…… それだけ興奮してるんだからさ 「 はぁ、アラン……動いていい…… 」 「 ん、動くね……ぁ、はっ…… 」 「 っ!くっ、ンゥ、んっ……! 」 外れた舌先から繋がる銀色の糸が切れ、舌舐め擦りと共に彼の口元を舐めて 身体を触れていた手を、脇腹から肩に掛けて回して密着すれば 彼もまた片腕を首後ろに回し抱き着いてくる 肉壁をゆっくりと擦り、体液によって滑りが良くなった内部は少し動きやすくて 最初はゆっくり押し上げる程度から、 徐々に腰の速度を上げていく 「 ぁ、あっ、はっ!ぁ、くっ! 」 「 っ、んっ……ハルくん、凄く……いい匂いするね……突かれて、発情してるの……? 」 腰を動かす度に、彼の聞きなれない可愛い声は漏れて 鼻に掠める甘い花の蜜のような香りに興奮するのには十分なほど 髪へと鼻先を当て、問い掛けながら揺すれば彼は首を横に向け顔を背けて否定する 「 わかんねぇ、ぁ、あっ、あら、んっ、ぁ、あっ! 」 「 ふっ、ハルくんが……いい匂いするから凄く……興奮する……ふぅ、っ…… 」 薬で強制的に香る、フェロモンでは無く 本能から掻き立てるようなこの匂いに、理性の糸はほどけていく 不味いな、余裕が無くなるほどに腰を揺らしてしまう 「 アッ、ぁ、あっ!くっ、っ、ぁ!あらんっ、奥がっ、あぁっ、んっ! 」 「 ンッ……はっ、ぁ、あっ、くっ……っ、きもちいっ、ん…… 」 奥が疼くなんてエッチだね でも、答えて上げるよ…… 俺も奥を突きたくて仕方無いからさ 「 ふっ、っ、くぅ、ぁ、あっ、いくっ、いっ、っ!でるっ、ぁもう、くっ、んぅ! 」 「 いいよ……俺も、種付け……するから……はっ、くっ……っ……! 」 「 ひっ、あっ、んんっ~! 」 珍しいと思ったより先に、俺の限界は訪れていた 彼みたいに律儀に外で出すことはしないし 寧ろ、深く深く奥まで種付けをしたくて堪らないから、彼が射精するのに合わせて 熱く溜まった奥へと精子を吐き出した きゅっと締め付けて精子を求めるように吸い付く、肉壁の感覚に、陰茎は答えるようにドクドクと脈を打ち注いでいく 「 っ~!はいるっ、おくっに……ぁっ、くっ……! 」 「 ぅん……流し込んでる、からね……はぁ、ハルくん……大好きだよ 」 「 あぁ、俺も……これから、好きになる…… 」 十分だよ…… 君が俺を認めてくれただけで嬉しいからね 注ぎながら彼が痙攣するように震える様子を見ながら、舌先で頬やら首筋を舐めてる 赤く染まった首筋から頬は愛らしく、目線の先にあるうなじに噛み付きたくて、身体を起こした 「 はぁ、繋いだまま……体位変えるね……。 ん、ほら……背を向けて 」 「 っ、ぐりって、すんな……ぁ、っ…… 」 「 動かなきゃいけないから、我慢して…… 」 俺の腰にある左足を閉じさせて、腰を動かすのに合わせて 半ば強引に中を擦りながら、体位を変えれば 彼は背中を向け、深く呼吸をして腕に力を入れ四つん這いへと変わった まるで、咬んでいいと言われてる雰囲気に 否定することも、戸惑うこともなく胸元に手を当て 被さればうなじへと口付けを落とし、牙を向ける 「 ハルくん……俺の、番に…… 」 「 っ、くっ……! 」 君を手に入れる為に、番の契約を交わす 嘘をついた言葉の真実は胸に閉まって鍵をかけて その、うなじへと犬歯を当て痕が残るほどに強く咬めば、 一瞬、俺達の中に流れる電流の流れを感じる そして、ずっとずっと……いとおしく思って身体を抱き締める 「 はぁ、ハルくん……好き……大好き 」 「 っ、ぁあ……いいから、動けよ…… 」 「 うん……続きしよ…… 」 俺の腹にいる子は、間違いなく君の子だよ それを教えるのは……もう少し後にするけどね 「 俺が……オメガだったのか 」 「 なんの話? 」 行為を終えて、御風呂に入ってから、少し寝た後に 彼は歯形の残るうなじに触れながら、ポツリと呟いた 「 なんか、本で見てな……。上のくらいがアルファ、真ん中がベータ、そして下がオメガって…… 」 「 俺はアルファだよ? 」 「 へ? 」 「 だって俺、オオカミのトップだからさ 」 彼はきっとオオカミの階級について学んだんだろうね そうなら、俺は紛れもなくアルファだよ 両親がアルファだったし、その血筋を持ってるから 群れを作るならアルファとして一番上に立つ事になる 「 じゃ、俺は…… 」 「 一緒に群でも作るー?いいよー群れ作ろうよー 」 「 なっ!?タヌキとオオカミの群れなんてあり得るか! 」 何かを呟こうとした彼に笑っては、その腕を引き 自らの膝の上へと乗せれば、人の姿は嫌がったのか 獣の……タヌキの姿へと変われば頭から背中を撫でていく 「 有り得るよ。俺と君なら…ね。それに他種族属と交配した場合。どちらかの血筋を受け継ぐから、生まれるのはタヌキ、か……オオカミだと思うよ 」 血筋が近い、猫科同士や犬科同士なら人間が発見したようなのは有り得るかも知れないけど 俺とハルくんは似てるようで違う 「 タヌキはイヌ科のタヌキ属だぜ? 」 「 オオカミはイヌ科のイヌ属だからちょっと違うんだよ 」 「 そうなのか……なら、どっちかになるんだな 」 もし産まれるなら、どちらかの血筋であり見た目が固定されたのになる それは野生の世界で全く違う新種が生まれないようにする、世界の法則だ タヌキとオオカミのミックスなんてちょっと期待したけど、きっと違うだろうね 「 いいじゃん、どっちでも。俺達の子には違いないよ 」 「 そうだな…… 」 おや、子供を期待して望んでくれるなら 暴露する日も近いかな きっと驚くだろうね 「 アラン、明日から宜しくな。その……ダブルバトル 」 「 勿論、君の足手まといにはならないからさ 」 白いタヌキはどこか嬉しそうに顔を上げた オオカミやイヌのように嬉しかったら尻尾を振る、 なんて事はしないけど、瞳やら顔を見れば何を言いたいのか察することは出来る 片手で頬を触り、耳やら頭を撫でていればうっとりとした表情を見せるから無意識に尾は揺れる 「 いたっ、なんで噛んだの? 」 嬉しくてモフモフ撫でていたら、急に咬まれて驚けば 膝の上から下りて一歩離れた 「 旦那の俺がモフられるなんて、許さない。御前は俺の嫁なんだ 」 「 じゃ、オオカミの嫁入りだね 」 離れたついでに俺もオオカミの姿へと戻れば 彼は見上げてきた後に、顔を背けた 「 やっぱり……番の件は無かったことに…… 」 「 無理だよ!そんなの、やだ!あ、しゃがむから、しゃがむのはダメ!? 」 大きさを気にした彼に、直ぐに横たわり腹を向けて、片手でちょいちょいっと触ればむすっとした表情の後に俺の腕へと身体を寄せてきた 「 仕方無いな……小さくなったなら許す…… 」 「 うん! 」 オオカミが直ぐに腹を見せるなんて有り得ない とか言われそうだけど アルファのオオカミは、唯一番の相手に対しては従順なんだよ 他のオオカミには牙を向くけど、番の相手は誰よりも大切にする 身体を寄せたまま眠りに付いたハルくんを見て 尾を揺らしては、ヨダレでベトベトになったら 怒られるから軽く舐めてから、俺も眠ることにした 明日はダブルバトルがある…… きっと俺達は優勝までいけるよ 「 ハルくん……お漏らししたの!? 」 「 いや、違うんだ……これはつい……本能的に…… 」 「 本能的にお漏らし?別にいいけどさ……匂いが…… 」 起きたら腹の毛から、太股辺りが尿で濡れてることに驚いて起き上がれば タヌキのハルくんは落ち込んだように目線を下げた 「 いや、違うんだ……。違わないが、その…… 」 「 うん? 」 なんだろうかと疑問に思って視線をやれば、彼は答えた 「 番になった相手に、尿をかけて匂いを付けたくなるんだ……タヌキは…… 」 番になった相手、ってそれって本能的に認めてくれたってこと? えっ、じゃ……拭くのが勿体無いぐらい全然いいんだけど! 「 そうなの!?いいよ?もっとかけて! 」 「 もっとかけて、は可笑しいだろ!?洗ってきてくれ! 」 「 やだ……折角ならかけるの見せて? 」 「 みせ、なっ…… 」 マーキングしたいんだね!していいのにー! ヤってる後は我慢したのかなって思いながら 人の姿へとなり、座り込めば、彼は戸惑う様子を見せて立ち上がると同時に人の姿へと変わった 「 風呂場でいいか……洗い流せるし…… 」 「 ふふっ、いいよ 」 シャワールームへと行けば、足元に座り込んだ俺は 彼の陰茎を見上げてから 何となく太股に触れてから舌先を当てた 「 なっ……!? 」 「 先に舐めたい……いいよね……? 」 「 っ……綺麗な顔をして、変態が…… 」 「 ふふっ、それは君もだよ…… 」 毛繕いをしてると思えば平気だから、太股を支えたまま 舌先を陰茎に絡めて、片手は萎えてるそれを優しく掴んでしゃぶっていく 咥内に広がるしょっぱい塩気と、アンモニアの匂いに目を細めて 唾液を絡ませながら卑劣な音を立て、フェラをすれば 彼の陰茎はむくむくと大きくなり、俺の咥内を満たす 「 んぅ、ん…… 」 「 はぁ……なんか、すげ、いい…… 」 言われなくても見て分かるけど 言われた方が嬉しいよ 頭を揺らして動かしたり、掴んだ片手で根元から擦れば 頭を撫でる感覚に気付き、視線だけを上げれば うっとりとした表現を浮かべてる 「( あ、入れて欲しいけど……お腹いるし……我慢しよ…… )」 望まれた子ではないかも知れないけど それでも、流産は望んでないしこっそりとでも産みたいと思う だから今は、疼く下半身は何事も無いように我慢しよう 「 はぁ、アラン……でる……出すぞ 」 「 ん……ふっ、ん…… 」 しゃぶっていた舌先からほどけば、腰を下げた彼は俺の顔へと精子を吐き出した 尿じゃないことに勿体無いと思って、掬って舐めていれば 告げることもなく首元から身体にかけて尿を出した 「 ふふっ……君の匂いでいっぱいだね 」 「 っ、変態が…… 」 かけた本人が言う台詞だろうか でも、どこか満足気な彼は俺を眺めてから 直ぐにシャワーの蛇口を捻った 「 いいから、さっさと洗い流せ! 」 「 カーペットも洗わなきゃね…… 」 「 っ~~!!くそ、本能め!! 」 本能に勝てるものはないよ 俺の頭にシャンプーを多めにつけてガサガサと 乱暴に洗っていく彼に、今は身を任せた 勿体無いと思ったのは本当だよ 君から、匂いを付けたいと思ってくれることが嬉しかったんだからさ
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