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「咲夜くん、おはよう。さっき、中田くんが悪口を言ってたよ。朝からイチャイチャすんなって」
純太くんか。沙也ちゃんと登校していることだろう。いちいち皆んなに言って回るなんて俺の何処が気に入らないんだろう。
「イチャイチャなんてしてねえよ。純太くん、いちいち煩い野郎だな」
「まあ、暇なんだろう。でも付き合ってもないのに仲がいいんだな」
友達の海斗くんは両手を頭の後ろに持っていって口元に笑みを浮かべる。
「う、うん、俺は男と女でも友達関係は成立すると思ってるよ。純太の野郎さ、電車の中でも冷やかすような目で見てたんだぞ、顔はいいのに性格悪いな」
俺はそう言って口を尖らせた。
「顔がいいか。でも、この学年で一番は咲夜くんだろう。女子だって思いを寄せている子が多いみたいだぞ。女の子と登校はしないほうがいいんじゃないか」
「女友達くらい作らせろ」
俺は苦笑してから時計を見た。もうすぐホームルームの始まる時間だ。急いで席に行って通学カバンを机の上に置いた。
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