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守りたいんだ
「……あら? いつもはここに置いているはずなのに」
いつもより早い時間に会社に着いたので、簡単な書類からチェックしようと思って引き出しを開けたのだけど。
いつも使っているお気に入りのボールペンが、どこを探しても見当たらない。
……それも二本も。
机に置きっぱなしにしたりすることは滅多にないし、昨日の終業時に机を片付けた時は有った気がする。
そのボールペンは私にとって特別なものだったので、念のため机の下まで探してみる。
「あれー? 何してるんですか、主任。そんな事してると、スカート汚れちゃいますよ?」
「あ、横井さん。あのね……」
私は出社してきた横井さんに、あのボールペンを見なかったか尋ねてみる。だけど、やはり横井さんも見ていないそうで。
「昨日までは確かに机の引き出しにあったんですよね? それじゃあ、もしかして……」
そう考えた素振りを見せた後に彼女は少し険しい顔をして。そのまま私の足元にあったゴミ箱を取り上げ、いきなり手を突っ込んだのだ。
「何をしてるの⁉ あなたが汚れてしまうわ!」
「ああ、あった……これ、ですよね? 主任のボールペン」
横井さんの手には私が探していたボールペンが二本。どうしてゴミ箱の中から……?
「主任、プライベートな質問になってしまうかもなんですが。もしかして昨日、御堂さんと何かあったんじゃないですか?」
横井さんは真剣な表情で私の答えを待っている。このボールペンと御堂の事がどう関係あるのだろうか?
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