守りたいんだ

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「……ふうん。じゃあ、もし私が御堂(みどう)じゃなく他の人を頼ったらどうするつもり?」 「ほう? そんな事が出来るのか、人の事ばかりを気にしてしまうお前に」  少しくらい御堂を困らせてやろうと思ったのに、彼は私の事を理解しすぎてて……  再会してたった数日しかたっていないのに、彼はこの会社で誰よりも私を知っている男になっている。 「嫌な言い方ね、御堂が嫉妬したら面倒そうだから止めておくことにする」 「それが正解だ。……で、紗綾(さや)はアイツらにいったい何をされたんだ?」  御堂は私の嫌味をあっさりと流して、さっさと本題に入る。ちょっと待って、御堂は今「アイツら」って言わなかった? 「その言い方だと御堂、貴方は犯人が誰だか知っているの?」 「悪いが俺の質問が先だ。紗綾、お前はアイツらに何をされた?」  さっきより少し低い声でもう一度同じ質問をしてくる御堂。もしかして、凄く怒っているの? 「……ちょっとお気に入りのボールペンをゴミに捨てられていただけ。それだけだからそんなに怒らないでよ」 「そうか……」  大したことじゃないって言ってるのに、私の話を聞いた御堂の目付きは鋭くて。このまま御堂に任せてしまっていいのかと不安になる。 「ねえ、犯人を教えてくれたら私自分で何とかするけど……?」 「駄目だ、紗綾に何かあったら俺は手加減出来なくなる。それが嫌ならば、お前は大人しくしていろ」
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