如月かれんは二百二十二回死ぬ。

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6 6月21日 午後、雨  朝出る時に傘を忘れていたのだけど、午後、かれんがちゃんとわたしの分も傘を持ってきてくれました―― これはちょっと助かった。たまにはかれんが家にいて、ちょっとはやっぱりよかったかも。って思える瞬間があったりもして―― 6月24日 日曜日。小雨模様。  せっかくの休みだから海に行きたいとかれんが言うから、まあ、わたしもたまにはいいかなと思って。一緒に須磨まで出掛けました。  海で泳ぐにはちょっぴり時期が早いのと、天気がいまいちだったのとで、須磨の海岸には人はまばらでした。かれんは靴を脱いで波打ち際までいって、寄せてくる波に裸足の足をひたし、やはり海は良いなあ。とか、なんだかあたりまえのコメントを、何度もしみじみと繰り返していました。  まあでも、ときどき小雨がぱらつく曇りの日で、わたしとしては、そんなに何かすごく海が綺麗とかは感じなかったのですが。まあそれでも、一瞬だけちょっぴり日が射して、雲の間から海の上に光の帯が何本も降って、遠くに見える海峡大橋が白く綺麗に光って見えたのは、たしかにけっこう、良かったかも。
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