如月かれんは二百二十二回死ぬ。

29/51
前へ
/51ページ
次へ
8  かれんがいなくなった朝。  空は綺麗に晴れあがっていました。夜の間に降っていた雨は、朝が来る前に、知らない間に止んでいました。そしてかれんは、もう、いませんでした。家のどこにも、いませんでした。とつぜん消えてしまったのです。  そしてキッチンのテーブルの上に、それがありました。  スカイブルーの薄い便箋に、個性的な字でギッシリ書かきこまれた、その手紙。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加