如月かれんは二百二十二回死ぬ。

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9  その手紙を握りしめて。  わたしは走りました。  走って走って。  そして探しました。  住宅街の路地を。駅前の人混みの中を。  隣の駅前のショッピングモールを。  川西駅前のネットカフェの中。  学校の近くの商店街。それから動物園も。  服部公園のケヤキの広場も探しました。  思いつくところは―― 残らずどこでも駆けまわって。  そのどこかに、かれんの姿があるのではないかと。  そう思って。わたしは。走って。走って――
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