11人が本棚に入れています
本棚に追加
でも。
街に夕方が来たとき、さすがにわたしはくたびれて――
光風台駅前のベンチに、どさりと座って――
なんだかもう、ほんとに、体の中の全部から、力がすべて、抜けてしまったみたいで――
もうすっかり日が落ちて、街の明かりがともり始めました。街の明かりが――
そのとき急に、ひらめきました。
もしかしたら!
わたしは駆け登りました。
スポーツ公園の裏から続く、その暗い木立の中の上り坂を。
途中で転んで、あちこち泥だらけになったけど――
それでもとにかく、走って走って、登って登って――
最初のコメントを投稿しよう!