如月かれんは二百二十二回死ぬ。

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 八月の終わりになって父が赴任先の海外から戻ってきました。  いろいろ父にも事件のことを訊かれたり、  あとはいつもの、学校のこと、勉強のこと、進学希望の大学のこと――  いろいろ何か、細かいことまで父とも話したのだと思いますが、  でもすべて、わたしには、そんなのはもう、半分以上はどうでもいいことでした。  どうでもよく、思えました。かれんがいない今となっては。今となっては。  頭に何も、入ってこなくて―― もうどうでもよくて――  そして街には秋がやってきて――
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