如月かれんは二百二十二回死ぬ。

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「ここだここだ。どうした? ずいぶんしけた顔をしているな。」  むこうで誰かが手を振っています。  人の行きかう改札口の前――  暗くなりゆく秋の街―― いつもの街の、その場所には――  わたしは駆け出しました。  駆けて駆けて駆けて駆けて駆けて、そしてもう思いきり――   「かれん!」  わたしは思いきり抱きしめました。  そこにはたしかに、感触があり――  なつかしいぬくもり、あのなつかしいサラサラした髪――
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