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「ね、かれん、一緒に家、帰ろう。一緒にプリン、食べよう。なんだったら一緒にお風呂、入ってあげてもいいよ! 背中も流すよ!」
「いやいやいや。申し出はありがたいが。女ふたりで風呂に入る趣味は、今のところないのでな――」
「じゃ、とりあえず晩ごはん、食べよう。つくったげるよ。何がいい? やっぱりすき焼き? すき焼きね? ね?」
「まあ、そうだな。そこはやはり、きちんと押さえてしかるべきポイント、かもしれないな。うむ。そうだな。やはりそれだな。そこからだな、まずは。」
そう言ってかれんは、
なんだかちょっと恥ずかしそうに、ちょっぴり下を向いて、
ちらりと、わずかに、ちょっとだけ――
でも、とっても綺麗に、たぶんかれんは、笑ったのだと。
そう思います。きっとかれんは笑ったでしょう。
だからわたしも。
わたしもこたえて、笑いました。
それから思いきり、握りました。
かれんの、その、ピンクのカーディガンを着た細い腕。
それからその腕をぐいっと思いきり自分の方に引きよせて、
今度はかれんの体ぜんぶを、
ギュッと、ギュッと、力をこめて、またあらためて、抱きしめて――
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