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鼠色の空からポツリポツリと雨がふる。 「もー!また雨〜。」 隣で窓から空を見つめ、不機嫌に呟く彼女の声 「仕方がないだろ。雨が多い季節なんだから」 「だって…洗濯が乾かないから嫌なの」 むすっとした顔で、恋人の椿は言う。 「俺は雨好きだけど…」 「変わってるのよ大地は。」 「そう?雨は雨で良いこと沢山あるんだけどな」 例えばそう。水をやる予定だった、花壇に水を与えなくても良いとか。 家の中でダラダラする理由だって雨のせいにできる。 そしてさらに、雨が止んだ世界は、キラキラと輝いて見えるのだ。虹が空にかかり、雨の雫が光の反射で輝く。 些細な事だけど俺は雨が好きだ 「晴の方が何でもできるじゃない。髪だって湿気で変になる事は無いし。はぁ。早く止んでくれないかな」 雨続きで憂鬱なのだろう。 「明日には止むだろ?」 「そうだけどさ…」 久しぶりの晴れ間が見えるとニュースで話題になってたのだ 「ああ。何か良いことでも有れば気分が上がるのに」 まるで俺に何かを求めるように目線を配る 「そうだな…」 なんて答える。 「まぁ冗談なんだけどね」 明らかに落胆したように窓の外を見つめて言う彼女に対して、俺の心はザワザワと騒ぎ立てていた
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